血液クレンジングがアンチエイジング対策として注目されていますが、採取した血液にオゾンを反応させて再び体内に戻すという方法の有効性、安全性は確かめられているのでしょうか。
血液クレンジングがアンチエイジングに効果があるとして注目されていますが、アンチエイジングとしては、これまで栄養、料理、生活改善など医療行為とは別の分野での情報が増えている傾向にありました。しかし、血液クレンジングは医療行為に踏み込むもので、採取した血液を(たとえばオゾンなどで)クレンジングしたうえ再び体内へ戻すというものです。アンチエイジング療法としてあげられるものには、血液クレンジングのほかにはキレーション、デトックス、ホルモン補充、栄養点滴などがあります。
血液クレンジングが医学界でどのような位置にあるか、そもそも血液クレンジングがどのようなものなのか、実際に行われている例を見ながら確認してみたいと思います。
血液をクレンジングするということを考えるには、血液の役割を理解しておかなくてはいけません。動脈硬化などが話題になると、血液サラサラなどという形容がされますが、血液の主な役割は、体内を循環しながら酸素、二酸化炭素を運ぶこと、エネルギー基質(糖、脂質、アミノ酸、タンパク質など)、各種ホルモン、代謝産物などの運搬があります。ほかにも体温運搬、免疫機能など重要なはたらきをもつ液体で、ヒトの体重のほぼ13分の1、約8%が血液量といわれます。体重60Kgの人なら約4.6Kgが血液の重さです。
血液クレンジングとは、このように重要な機能をもつ血液をクレンジング、浄化することで、目的は血液の健康維持、回復にあります。血液自体が健康でないと、活性酸素に対する抵抗力が低下し老化が進むと考えれば、血液クレンジングがアンチエイジングの対策として効果があることになります。問題は血液クレンジングが、血液の健康とどのように関わるかにあります。また血液クレンジングが血管病、動脈硬化を防ぎ、ひいては心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こさないためにも効果があるとする意見も見られますが、血液クレンジングは血液の浄化であって、血管に起因する動脈硬化などとは直接の関係はありません。
血液クレンジングの実際の治療では、オゾンを使う方法が行われる場合もあるようですが、いわゆるオゾン療法と血液クレンジングとも直接の関係はありません。オゾン療法はヨーロッパでは知られ、イギリスのエリザベス女王のお母さんはアンチエイジングの一環として定期的な療法を受けていたことが知られています。
オゾン療法は活性酸素を取り除き、血液浄化による新陳代謝で肉体的、精神的な老化防止に効果があるとされます。ヨーロッパでは手術後の患者さんの免疫力を上げるためにも利用されているという報告があります。
血液クレンジングは、このオゾン療法の利用にあるのが現在の実情のようですのでその内容を見てみることにします。
血液クレンジングとして報道などで取り上げられた方法は、このオゾン療法を利用したもので、まず血液を採取しオゾン処理したうえで、体内に戻すという方法です。オゾンにより活性化した血液は、体内に戻って体全体を活性化させ、老化防止から若返りの効果までうたっています。効果として挙げられたものには、老化防止、不眠症、脳梗塞などの血管障害、頭痛、めまい、高血圧、肩こり、四十肩、五十肩、リウマチ、更年期障害、慢性疲労、ストレス、インポテンツ、肌荒れ、痔などがありまさに万能のようです。
血液クレンジングという治療法は次のようなものが紹介されています。
オゾン処理のための血液採取は、50〜100mlで、これに医療用オゾンを加えるそうです。
オゾンの量は、最も効果的な量を計算して投与することで血液が活性化するので、血液クレンジングを終えた血液を体内に戻します。
血液クレンジングの実際は、50〜100mlの血液採取とオゾンを加えることです。クレンジングされたとする血液を体内に戻すと、体が温まるのを実感し、治療途中からでも視界がクリアになるとうたわれています。
ヒトの体重のほぼ13分の1、約8%が血液量といわれますが、50〜100mlの血液に、計算されたオゾンを追加するだけで、万能の効果があると考えてよいか、しばらく様子を見たい気分になるのは私だけでしょうか。月に1〜2度の治療を続ければ老化予防の効果が維持できるといいます。
オゾンを反応させた血液を老齢者の血管に戻す治療法は、イギリスの公共健康サービスでは認められていませんし、アメリカの医師会はアンチエイジングを公式の医療分野とは認めていないようですので、血液クレンジングの有効性、安全性に不安を覚えます。厚生労働省なり医学界からの早めのコメントが望まれます。